第32回日本成人矯正歯科学会大会に
参加しました〈後編〉
こんにちは。総院長の東海林です。
前回に引き続き第32回日本成人矯正歯科学会でのお話です。今回の学会では発表以外に表彰式も開催されました。
2022年度は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の関係で開催できなかったため、今年度は昨年分もまとめて表彰する形となったのです。
今回も当法人からも多くの表彰者が生まれました。
これはスタッフそれぞれ、努力の賜物です。
とても嬉しく思います。
- 2022年度臨床研修施設指定に渋谷矯正歯科。
- 2022年度は認定矯正歯科衛生士2級合格者が当法人からは2名。
- 2023年度認定矯正歯科衛生士2級合格者、当法人からは9名。
- 2022年・2023年度認定矯正歯科技工士合格者2級1名。
私は日本成人矯正歯科学会の認定委員も務めており、日々の診療のみならず次世代の矯正歯科を担う人材育成にも力を入れております。
今回は日本成人歯科学会の認定矯正歯科衛生士、認定矯正歯科技工士についてもお話したいと思います。
日本成人矯正歯科学会について
日本成人矯正歯科学会は1993年に設立され、成人の矯正歯科治療の進歩と発展を目指して活動しています。
特に成人期以降の矯正治療には、矯正歯科学の知識だけでなく、他の医学分野の専門知識や技術も必要とされます。
この学会は、成人矯正歯科医療の水準を高め、維持するために尽力しており、一般の方々に最適な医療を提供することを目指しています。
学術の向上に力を入れ、常に最新の治療法や技術を取り入れることで、患者さんに質の高い矯正治療を提供しています。
矯正歯科認定衛生士について
矯正歯科認定衛生士は、矯正治療に特化した専門的な知識と技術を持つ歯科衛生士です。
彼らは矯正治療のサポートを行い、患者の治療を円滑に進めるための重要な役割を担っています。
■まず、歯科衛生士とは
役割と基本的な業務
歯科衛生士は、患者の口腔衛生を維持し、予防ケアを提供する専門職です。
主な業務には、プラークや歯石の除去、フッ素塗布、歯磨き指導、治療の補助などがあります。
これにより、歯周病や虫歯の予防に貢献します。
職場環境
歯科衛生士の主な職場は歯科医院ですが、病院や介護施設でも活躍しています。
これにより、幅広い患者層と接する機会があり、多様なニーズに応えることが求められます。
■歯科衛生士の資格取得のプロセス
教育要件
歯科衛生士になるためには、認定された教育機関で専門的な教育を受ける必要があります。
通常、専門学校や大学で2~4年の教育課程を修了します。
この課程では、解剖学、生理学、歯科衛生学などの基礎知識を学びます。
国家試験
教育課程を修了した後、国家試験に合格することで正式に資格を取得できます。
試験では、学んだ知識と技術が評価され、合格率は比較的高い水準にあります。
■認定歯科衛生士の資格取得のプロセス
認定矯正歯科衛生士の資格は、日本成人矯正歯科学会が主催するもので、矯正歯科に特化した高度な専門知識と技術を持つ歯科衛生士を認定します。
この資格には1級と2級があり、それぞれ取得のための条件とプロセスがあります。
●資格取得の方法
基本条件
1.歯科衛生士免許の取得
日本で有効な歯科衛生士免許を保持していることが基本条件です。
2.学会会員
日本成人矯正歯科学会の会員であること。
3.臨床経験
認定された医療機関や大学病院の矯正歯科で、常勤で3年以上の矯正歯科臨床経験が求められます。
認定試験
・2級認定
書類審査で行われ、基本条件を満たしていることが確認されます。
・1級認定
2級取得後に実務経験を積み、学会での症例発表や口頭試問を受ける必要があります。
認定のステップ
1.学会参加
学会の定期的な参加が必要で、最新の研究や症例を学びます。
これにより、実際の臨床に役立つ知識と技術を身につけます。
2.実務経験
日々の臨床経験を通じて実践的なスキルを向上させます。
3.試験と審査
必要な経験を積んだ後、書類審査や面接審査を受け、認定の基準をクリアします。
■認定矯正歯科歯科衛生士のやりがい
患者様との関係
矯正治療は特に、長期間にわたるため、患者との深い信頼関係を築くことができます。
治療の進行に伴い、患者様の口腔内の変化を見守り、その喜びを共有することができる点は、大きなやりがいとなります。
専門性の向上
矯正歯科認定衛生士は、継続的な教育と実践を通じて専門性を高めることができます。
これにより、キャリアアップの機会が広がり、さらに高度な治療に携わることが可能となります。
認定矯正歯科技工士
認定矯正歯科技工士は、矯正治療に必要な装置や器具を製作・調整する専門職です。
彼らの役割は、歯科医師と連携し、患者一人ひとりに最適な矯正装置を提供することです。
■まず、歯科技工士とは
役割と基本的な業務
歯科技工士は、歯科医師の指示に基づき、クラウン、ブリッジ、入れ歯、矯正装置などの歯科補綴物を製作する専門職です。
彼らは、患者の口腔内の状態に合わせた精密な器具を作り、治療の成功をサポートします。
職場環境
歯科技工士は主に歯科技工所や歯科医院のラボで働きます。
彼らの仕事はデスクワークが中心であり、精密な作業を長時間行うため、集中力と技術が求められます。
■歯科技工士の資格取得のプロセス
教育要件
歯科技工士になるためには、認定された専門学校や大学で2〜3年間の教育課程を修了する必要があります。
この課程では、歯科材料学、解剖学、技工学などの基礎知識を学びます。
国家試験
教育課程を修了した後、国家試験に合格することで正式に資格を取得できます。
試験は理論と実技の両方が含まれ、実務能力が問われます。
合格率は比較的高いですが、しっかりとした準備が必要です。
■認定矯正歯科技工士の資格取得のプロセス
この資格を取得するためには、矯正治療に関する専門的な知識と技術が求められます。
矯正装置の設計や製作技術、最新の材料や方法について学び、実践的なスキルを身に付ける必要があります。
●資格取得の方法
認定矯正歯科技工士になるためには、以下のステップを踏む必要があります。
1.歯科技工士の資格取得
まず、歯科技工士の国家資格を取得します。
2.実務経験
学会が認める矯正歯科専門の医療機関、大学病院の矯正歯科、または矯正歯科専門技工所で、原則として常勤で3年以上の継続した矯正歯科臨床経験が必要。
または、矯正歯科臨床を行う医療機関や歯科技工所において同等の矯正歯科技工の業務経験が求められます
3.日本成人矯正歯科学会への参加
日本成人矯正歯科学会の学会に参加し、講演やセミナーを受講します。
4.認定試験の受験
認定試験に合格することで、認定矯正歯科技工士の資格を取得できます。
■歯科技工士のやりがい
患者様との関係
認定矯正歯科技工士は、直接患者様と接する機会は少ないものの、製作した装置が患者の生活の質を大きく向上させることに大きなやりがいを感じます。
技術が患者の笑顔を取り戻す一助となることは大きな喜びとなるでしょう。
専門性の向上
継続的な教育と実践を通じて、自身の技術と知識を高めることができます。
これにより、キャリアアップの機会が広がり、さらなる専門分野での活躍が期待できます。
認定矯正歯科衛生士、そして認定矯正歯科技工士は、矯正治療の質を向上させるために不可欠な存在です。
専門知識と技術は、患者様の治療効果を最大限に引き出すことに貢献します。
資格取得には努力と献身が必要ですが、この専門分野での教育と経験を通じて、キャリアを高め、そして患者様の健康と笑顔を支える重要な役割を果たしていくことができます。
当院は日本成人歯科矯正学会の認める臨床研修施設指定になっております。
また日本成人歯科矯正学会は成人矯正に特化しており、当院には多くの成人患者様が来院されます。
そのため、成人矯正を学ぶための環境が整っています。
症例の研究やセミナーへの参加も、当院がサポート可能いたし、認定委員である私が総院長を務める当院グループで働くことで、成人矯正を深く学ぶ機会をご提供できるかと思います。
ご興味がある方はぜひご連絡ください。
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