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院内の空気や水へのこだわりについて

院内の空気や水へのこだわりについて

2019/04/25

前回のブログでは、以外と盲点であるハンドピースの滅菌についてお話しました。とはいえ、患者さまからしてみれば、「器具」の消毒や滅菌は当たり前と感じるかもしれません。今回は、もっと意外なもの、院内の「空気」と「水」についてお話します。

最近では空気清浄機が家電として一般的になっているので、「空気」に対する意識は以前より高まっているかもしれません。家庭ではハウスダストや花粉、ウイルスなどが気になるところですが、病院や歯科クリニックは普段から清掃が行き届いているイメージはあります。でも本当にそうなのでしょうか?

歯科クリニックは空気清浄装置がマスト?

歯科クリニックは人の出入りがあるため、外からの有害物質(PM2.5や花粉、ウイルスなど)が持ち込まれる可能性があり、人の動きに合わせて舞い上がって患者さまが吸い込む恐れがあります。
また、歯科は歯を削る際・クリーニングの際などにたくさんの粉塵・飛沫が舞います。これらは目に見えないごく小さなものですが、削られた細かい粉塵は呼吸器に悪影響を及ぼしますし、血液や唾液などの飛沫はさまざまな感染症への感染リスクをはらんでいます。

空気 清浄 感染 対策空気清浄装置(メディカルライトエアー)。待合室・処置室で稼働中。

渋谷矯正歯科では、院内感染や呼吸器疾患のリスクを取り除くため、医療機関向け空気清浄装置(メディカルライトエアー)を導入しています。
当院が導入している空気清浄装置は、上記で述べたような粉塵や飛沫、そこへ含まれるウイルスだけでなく、PM2.5やPM1.0・花粉などの外から持ち込まれた有害物質の他、歯科クリニック特有の薬品の臭いやレジンなどの歯科資材の臭いまで除去する優れものです。当院ではこの空気清浄装置を待合室・処置室・個室(オペ室)の3箇所へ設置。患者さまはもちろん、スタッフの健康へも配慮し、奮発して(!)導入しました。

医療機関向け空気清浄装置(メディカルライトエアー)
空気 清浄 装置 メカニズム

プレフィルター・スーパーバイオフィルター・光触媒セラミックフィルターの3層にも渡るフィルター構造でハウスダストや花粉、歯科特有の粉塵や飛沫、ウイルス・細菌、医療機関特有の薬品の臭い、ホルムアルデヒドといった有害物質をキャッチ。光触媒フィルターでは有害物質やその臭い・雑菌等の有機物を酸化させ、最終的に二酸化炭素と水にまで分解して空気を浄化します。

何やら難しげな名前がならんでいますが、普通の歯科ではこのレベルの空気清浄装置を導入することは稀です。それでも渋谷矯正歯科は「いち医療機関」として患者さまの健康に責任を持ちたいと考えています。
来院なさった時に、深呼吸を…とまでは言いませんが、患者さまが安心して過ごせる環境は整えています。

治療で使う「水」にも細心の注意を

空気と同じように、患者さまが意識しないものが「水」だと思います。歯科では患者さまが思う以上に「水」が使われており、歯科用ユニット(いわゆる「歯医者さんのチェア」。ライト・バキュームなどが一体になっている)の中は水が循環する仕組みになっています。出したそばから吸引していくのであまり意識しませんが、歯を削る際やクリニーニング時にも水を使っています。

ただ、「見えない部分を流れている水」というのは何となく怖いですよね。その中を常に掃除するわけではありませんし、何と言っても患者さまのお口に入るものです。やはり水に関しても安全性を重視したいと私は考えています。

渋谷矯正歯科では、この「水周り」を衛生的に保てる歯科用ユニットを導入しています。この歯科用ユニットは独自の水消毒システムを持ち、ユニット内の循環系に雑菌が繁殖したり、バイオフィルム(微生物の集合体)が形成されたりするのを防いでくれます。

歯科用ユニットの水消毒システム(KaVo歯科用ユニット)
歯科 水 消毒「常時」・「集中」とふたつの消毒方法を使い分け常にきれいな水を提供。

渋谷矯正歯科の歯科用ユニット内の水は過酸化水素水によって常に消毒されています。もちろん、患者さまの健康に配慮して普段はごく低濃度の過酸化水素水を使用。休診時などに集中的な消毒を行い清潔を保ちます。
またこのユニットは内部で水が溜まることの無いように設計されている他、汚れやすい部分は取り外しての清掃が可能であり、メインテナンスがしやすい点でも優れています。

治療と直接関係のない部分にもこだわります

2度にわたって、院内の衛生管理についてお話していきました。衛生管理について「あまり気にしない」という患者さまもいらっしゃいます。それはきっと私たちを信頼してくださっているのでしょう。
わたしたちはその信頼を裏切らないよう、常にベストを尽くさなくてはならないと思っています。特に、歯科治療や歯科の衛生管理は進展著しく、少し昔の常識は通用しなくなってきていますから、情報収集のために常にアンテナを張り、良いものは取り入れていきたいと思っています。
次回は衛生管理の最終回です。「えっ?まだ衛生管理の話をするの?」と思った方、もう少しお付き合いください…。

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