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菅原準二先生のセミナーに参加しました。

セミナー会場イメージ

菅原準二先生のセミナーに参加しました。

2023/10/26

セミナー会場イメージ

みなさんこんにちは。総院長の東海林です。
2023年9月23日(土)に菅原準二先生の対面セミナーに参加してまいりました。
当院は第4期j-projectにも参加させていただいており、今回で2回目となります。
このコラムでは第5期j-projectの内容をお届けします。

暫間固定源の種類

菅原準二先生のセミナー

セミナーの講演の様子

現状、矯正治療には暫間固定源が2種類あります。
それは「アンカースクリュー」「アンカープレート」の2つです。

アンカースクリューは皆さんもよくご存知のように、小さなネジを顎骨に埋入する方法で、矯正歯科医でも比較的簡単に植立することが可能です。
アンカースクリューは利便性の高さから、この20年で全世界に急速に広がり、現在は矯正の臨床上不可欠なツールとなっています。

アンカープレートに関しては、未だ普及はしておらず、矯正治療で活用されている先生方も少ないのではないでしょうか。
なぜならアンカープレートは矯正歯科医だけで取り扱うことは困難であり、口腔外科医の協力が必須となることから、臨床では現在、限定的な利用にとどまっています。
今回のセミナーでは、そんなアンカープレートの重要性を改めて学ぶことができました。

■アンカースクリューについて

矯正用アンカースクリューは、歯科矯正治療において、歯を移動させる際に使用される小さなスクリューです。

アンカースクリューの必要性と使用する症例

アンカースクリューは、歯を効果的に移動させるために使用されます。
特に、重度の不正咬合複雑な矯正治療が必要な場合、従来の矯正装置だけでは効果的な治療が難しい場合があります。
アンカースクリューを使用することで、より強力で安定したアンカレッジ(固定点)を提供し、歯を所望の位置に効率的に移動させることが可能になります。

例えば、過度に傾いた歯や回転した歯、歯列の中に埋まっている歯を移動させる際にアンカースクリューが有効です。
また、顎の骨の成長が終わった大人の患者さんにおいても、アンカースクリューを使用することで、抜歯を避けながら効果的な矯正治療を行うことができます。

アンカースクリューの素材

アンカースクリューは主にチタンやチタン合金で作られており、これは体内での生体適合性が高いとされるためです。
チタンは軽量でありながら強度が高く、錆びにくいという特性を持っています。
また、アレルギー反応を引き起こしにくい素材であるため、多くの患者さんにとって安全に使用することが可能です。

アンカースクリューのメリット

アンカースクリューを使用することで、治療期間の短縮や治療の精度の向上が期待できます。
また、抜歯を避けることができるケースもあり、患者さんの負担を軽減することが可能です。
治療後の安定性も向上し、歯の後戻りのリスクを低減することができます。

アンカースクリューのデメリット

一方で、アンカースクリューにはデメリットも存在します。
装置の挿入や除去の際には痛みを伴うことがあり、場合によっては局所麻酔が必要になることもあります。
また、スクリューが緩むことや、体内で折れてしまうリスクもあります。
しかし、これらのリスクは施術を行う歯科医師の経験と技術に依存する部分が大きく、適切な処置が行われれば最小限に抑えることが可能です。

感染予防を重視した二線切開による最新のアンカープレート埋入手術法

上段でも述べたように、アンカープレートの埋入手術は矯正歯科医だけで行うことは難しいです。
そのため口腔外科医との連携が必須となります。
とくにアンカープレートの埋入手術では感染が起こりやすいため、その点には十分な配慮が必要となります。
この症例では「二線切開」という感染予防を重視した方法が紹介されていました。
やはりプレートとなると小さなネジを埋めるアンカースクリューとは感染リスクに大きな違いが現れるのです。

上下顎臼歯の遠心移動による非抜歯治療
(ClassⅠ叢生・ClassⅡなど)

アンカープレートを利用すれば、ClassⅠ叢生やClassⅡの症例を非抜歯で治療できることもあります。
アンカープレートを固定源として、上下顎臼歯をダイナミックに遠心移動させるのです。
ちなみに、アンカープレートを用いることで臼歯を近心移動させることも可能です。

骨格性不正咬合の非外科的カムフラージュ治療
(ガミースマイル・開咬など)

渋谷矯正歯科グループ,歯科医師,集合写真

セミナーには渋谷矯正歯科グループの先生方も
参加しました。

骨格的な異常に由来するガミースマイル開咬もアンカープレートを使うことで効率よく改善できます。
アンカープレートを埋入するという点においては、口腔外科的に侵襲が大きくなりますが、矯正的には安定して治療することが可能となります。
結果として非外科的にガミースマイルの症状をカムフラージュすることができます。

■ガミースマイルとは

ガミースマイルのイラスト

ガミースマイルとは、笑った際に上の歯茎が普通よりも多く露出することです。
これは歯肉の過度な成長、上顎骨の過成長、または唇の筋肉の過活動によるものであることが多いです。

ガミースマイルの原因

ガミースマイルの原因は様々であり、歯肉の過度な成長、歯の異常な形状、上顎骨の過成長、唇の筋肉の過活動などが挙げられます。
また、歯並びの悪さや歯の位置の問題も関係していることがあります。
これらの要因を正確に把握することで、適切な治療法を選択することが可能となります。

ガミースマイルの一般的な矯正治療

ガミースマイルの矯正治療には様々な方法があります。
治療法はガミースマイルの原因によって異なりますが、以下にいくつかの一般的な治療法を紹介します。

【歯肉形成術】

歯肉形成術は、過度に成長した歯肉を切除し、歯と歯肉のバランスを整える手術です。
この手術により、歯茎の露出が減少し、見た目が改善されます。

【歯の矯正治療】

歯並びが悪い場合や歯の位置に問題がある場合は、矯正治療が有効です。
矯正治療により歯を適切な位置に移動させ、ガミースマイルを改善することができます。

【顎の手術】

上顎骨が過成長している場合は、顎の手術が必要となることがあります。
顎の手術により、顎の位置を調整し、ガミースマイルを改善することが可能です。

【注射による治療】

唇の筋肉が過活動の場合は、注射による治療が効果的な治療法となることがあります。
筋弛緩作用のある製剤を注入することで、筋肉の活動を抑え、ガミースマイルを改善することができます。

BAMPによる成長期ClassⅢの顎成長コントロール

成長期の反対咬合は、BAMP(Bone-anchored maxillary protraction)という方法で改善することができます。
上下の顎骨にアンカープレートを埋め込み、顎間ゴムを使って上顎骨を前方へと誘導します。

従来法では、歯に装置が付けられていたため、固定源である歯そのものも傾いてしまっていました。
一方、BAMPではアンカープレートという強固な固定源を獲得できることから、歯を動かすことはもちろん、顎成長のコントロールにも有利に働きます。
結果として、成長期の反対咬合を1年くらいで終わらせることも難しくなくなりました。

まとめ

セミナーの集合写真

先生方とセミナー参加者で集合写真を撮りました。

このセミナーでは、他にも「複雑な問題を伴った再治療例のリカバリー治療(咬合崩壊など)」「術前矯正を完全省略したSendai Surgery Firstの現状(顎変形症)」などの紹介もありました。
その中には20年以上の経過を追った症例もあり、大変勉強になりました。
というのも20年以上、症例写真を保存しておくことは稀なので、そうした長期に渡る経過を見る機会はほとんどないからです。
矯正治療は審美面ばかりに注目されますが、20年後もしっかり噛めることが患者さんにどれほど大きな利益をもたらすのか。
そうした矯正の医療としての重要性を改めて認識することができました。
セミナー後は、懇親会で菅原準二先生や長坂浩先生を始めとしたj-projectのメンバーの方々とお話する機会をいただけました。

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