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韓国の学術大会に参加してきました〈前編〉−非抜歯矯正・MCPAについて−

韓国,歯科矯正学会,KAO会場

韓国の学術大会に参加してきました〈前編〉
-非抜歯矯正・MCPAについて-

2023/12/08

韓国,歯科矯正学会,KAO会場

こんにちは。総院長の東海林です。
先日韓国の歯科矯正学会(KAO)が主催する学術大会であるThe 56th Annual Scientific Congress of the Korean Association of Orthodontistsに参加してまいりました。
韓国の済州島、済州国際会議場(ICC)で開催された今回の大会のテーマは「目標志向の卓越性 – 矯正歯科界を包括する」というものです。
矯正歯科の最新の知見や技術、臨床事例などについて学びや交流ができる場となりました。
国内外の有名な矯正歯科医や学者による特別講演やシンポジウムではまた新たな発見も多く、これからの治療に早速活かしていきたいと思うような学びが多くありました。

その中でも気になったのがMCPAという装置です。
これは今後非抜歯矯正の治療の幅を広げてくれるようなとても素晴らしいものであると思い紹介させていただきます。
今回は非抜歯矯正MCPAについてお話します。

非抜歯矯正について

韓国,学会,渋谷矯正歯科グループスタッフ

韓国の学術大会の会場前で1枚。

非抜歯矯正とは、その名の通り歯を抜かないで矯正する方法です。
歯の矯正というと、歯を抜かなければいけないことが心配であるという方も多くいらっしゃいます。
歯を抜くことに抵抗がある方や、健康な歯をできるだけ残したい方にとって魅力的な選択肢となっています。

■非抜歯矯正の原理と方法

まず、非抜歯矯正の原理と方法について説明します。
歯並びが悪くなる原因はさまざまですが主な原因は、歯の大きさに対して顎が小さいため、歯がきちんと並ぶスペースがないことです。
そのため、矯正治療では、歯を動かすためのスペースを作る必要があります。
一般的には、歯を抜くことでスペースを作りますが、非抜歯矯正では、歯を抜かずにスペースを作る方法を用います。
具体的には、以下のような方法があります。

歯列の幅を広げる

歯の並びはU字型になっていますが、この幅を外側に広げて、歯を動かすためのスペースを確保します。
これは、顎を広げる装置やワイヤーなどを使って行います。
顎が成長しきっていない子どもの場合は、顎の成長を促すこともできます。

奥歯を後方に移動させる

奥歯をさらに奥に動かして、他の歯も順次奥に移動させることでスペースを作ります。
これは、マウスピース型矯正やワイヤーなどを使って行います。
ただし、歯を移動できる範囲は歯を支える骨がある場所に限られるため、歯並びにある程度の余裕が必要です。

歯を少しずつ削る

歯が少し大きくて歯列に入りきらない場合に、複数の歯をヤスリのような器具で削って、歯を動かすためのスペースを作ります。
これは、IPRディスキングと呼ばれる方法です。
歯のエナメル質の厚さは約1〜2mmで、そのうち0.2〜0.6mmほどを削るため、歯に問題が生じることはほとんどありません。
これらの方法は、歯並びや顎の大きさ、噛み合わせなどの状態によって、適用できるケースに限りがあります。
そのため、歯科医師がレントゲンやCTなどの検査をもとに、治療後の噛み合わせを見通して、最適な方法を選択することが重要です。

■非抜歯矯正のメリット

次に、非抜歯矯正のメリットについて見ていきましょう。
非抜歯矯正には、以下のようなメリットがあります。

健康な歯を残せる

非抜歯矯正の最大のメリットは、健康な歯を抜かずに済むことです。
歯を抜くと、その部分の噛み合わせや歯周組織に影響が出る可能性があります。
また、歯を失うと、将来的にむし歯や歯周病などで歯を失うリスクが高まります。
そのため、健康な歯をできるだけ残しておくことは、歯の健康を維持するために大切です。

抜歯の痛みや恐怖心がない

歯を抜くことには、痛みや恐怖心を伴うことが多いです。
特に、歯科医院に対して不安や恐怖を感じる方は、抜歯をすることに抵抗があるでしょう。
歯を抜かなければ、抜歯による痛みや恐怖心を避けて、治療を受けることができます。
また、抜歯に対応していない歯科医院の場合は、別の病院に紹介されて抜歯する必要がありますが、非抜歯矯正ならその手間も省けます。

上下の歯のバランスと口元のバランスが良くなる

矯正治療で抜歯するのは、上下の第一小臼歯や第二小臼歯です。
これらの歯は、噛み合わせのバランスを保つ役割を担っています。
そのため、歯を抜くと、上下の歯のバランスや口元のバランスが悪くなることがあります。
歯を残しておけば、このような問題を防止できます。
また、非抜歯矯正では、歯列を拡大することで、口元がふっくらとして、若々しい印象になることもあります。

■非抜歯矯正のデメリット

一方で、非抜歯矯正には、以下のようなデメリットもあります。

歯茎が下がる可能性がある

非抜歯矯正では、歯を外側に動かすことが多いですが、その際に歯茎が下がってしまうことがあります。
歯茎が下がると、歯が長く見えたり、歯根が露出したりして、見た目や歯の健康に影響が出ることがあります。
歯茎が下がるリスクは、歯の移動距離や方向、歯茎の状態などによって異なりますが、歯科医師が適切に判断して、歯茎の保護を行うことが必要です。

重度の不正咬合は治療が難しい

非抜歯矯正は、歯並びや顎の大きさ、噛み合わせなどの状態によって、適用できるケースに限りがあります。
そのため、歯科医師がレントゲンやCTなどの検査をもとに、治療後の噛み合わせを見通して、最適な方法を選択することが重要です。

治療期間が長くなる可能性がある

非抜歯矯正では、歯を抜かない分、歯を動かすためのスペースを作るのに時間がかかることがあります。
また、歯を外側に動かすと、歯を支える骨が追いつかないことがあります。
そのため、非抜歯矯正では、治療期間が長くなる可能性があります。

MCPA(Multipurpose C-palatal Appliance)とは

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MCPAとはMultipurpose C-palatal Applianceの略称で、クラス2の咬合不正の矯正非抜歯矯正治療に使用される装置です。
口蓋の中央に3本のミニスクリューで固定され、右と左の延長アームがあり、これらにパワーチェーンをかけて後方牽引力をかけます。
この装置は、上顎の全体的な後方移動や、上顎臼歯と前臼歯の後方移動に使用できます。
治療効果としては、前歯の後傾や唇の突出の減少が期待できます。
この装置の特徴は、シンプルでエレガントなデザインで、歯根や他の重要な解剖学的構造の損傷を心配する必要がないことです。

MCPAは、歯根や他の重要な解剖学的構造の損傷を心配する必要がないという特徴を持つ装置です。
力の方向を制御するために、延長アームにフックが付いています。
MCPAの設計は、ステンレス鋼からチタン合金に素材が変更され、ミニスクリューの長さが8ミリメートルまたは10ミリメートルから選べるように改良されました。
そのため固定が強く良いと考えます。
MCPAの装着手順は、まず口蓋の形に合わせてプレートを調整し、次に、シリコンジグを作ってミニスクリューの挿入のガイドにします。
その後、インプラントエンジンとアダプターを使って、ミニスクリューを3本ずつ口蓋に固定します。
ジグを外したら、MCPAの装着は完了です。

当院では現在PLASというアンカースクリューを使用した矯正治療を行っております。
こちらの製品もとても良い装置なのでさまざま研究しながらより良いものを選択して治療を行ってきたいと思います。

Kook Yoon-Ah先生,歯科医師,韓国

Kook Yoon-Ah先生と2ショット。
本にサインもしてもらいました。

Kook Yoon-Ah先生,韓国

Kook Yoon-Ah先生にMCPAを
レクチャーしていただきました。

最後に

当院では複数の歯科医師・歯科衛生士はじめとするスタッフが在籍しておりますが、それぞれが常に研鑽を欠かさず患者様によってより良い治療を行えるよう一丸となって勤めております。
気になることやご相談はお気軽にお申し付けください。
次回は美容大国韓国でわかった矯正事情や学会の内容の続きをお話します。
>>次回「韓国の学術大会に参加してきました〈後編〉-E-WIREと韓国の矯正事情について-」

韓国,学術大会,商材展示ブース

商材ブースをまわり、
どのような材料があるのかをみんなで見てきました。

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