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第32回日本成人矯正歯科学会大会に参加しました〈前編〉

表側矯正装置の模型

第32回日本成人矯正歯科学会大会に
参加しました〈前編〉

2024/07/26

表側矯正装置の模型

こんにちは。総院長の東海林です。
先日、第32回 日本成人矯正歯科学会大会に参加してまいりました。
今回は開催会場が都内であったこともあり、私以外にも当法人グループからは、発表者、展示者以外にも多数の歯科医師と衛生士が参加しました。

池袋院院長の学会発表

池袋駅前歯科・矯正歯科院長の学術症例展示

仙台キュア矯正歯科院長の学会発表

仙台キュア矯正歯科院長の学術症例展示

私は日本成人矯正歯科学会の総合指導医でありますが、この指導医を更新するためには2症例が必要となります。
そのため今回は「右側第二大臼歯の鋏状咬合と上顎両側犬歯低位唇側転位を伴う叢生症例」「上下顎前歯部の叢生と上下顎正中線の不一致を伴う前歯部開咬症例」の2症例を発表。
このたび無事資格更新することができました。

今回発表した内容にからめまして、鋏状咬合(はさみじょうこうごう)について今回は少しお話させていただきます。
なかなか聞きなれない方も多いのではないでしょうか?

鋏状咬合とは

鋏状咬合(シザーズバイト)のイラスト

鋏状咬合(はさみじょうこうごう)は、歯科分野における咬合不正の一つで、上顎の奥歯が下顎の奥歯よりも外側に位置し、まるで鋏の刃のように交差する状態を指します。
鋏状咬合は、歯並びや噛み合わせに影響を及ぼし、日常生活における機能面や審美面で問題を引き起こす可能性があります。

■鋏状咬合の特徴

鋏状咬合は、上顎の歯が下顎の歯と正常な噛み合わせを持たず、外側に大きく広がる状態を指します。
正常な咬合では、上下の奥歯が垂直にしっかりと噛み合うことで咀嚼効率を高めますが、鋏状咬合ではこのバランスが崩れます。

・正常な咬合との比較

正常な咬合状態では、上顎の奥歯は下顎の奥歯の外側に位置し、上下の歯がしっかりと噛み合うことで食べ物を効率よく咀嚼できます。
しかし、鋏状咬合では、上顎の奥歯が下顎の奥歯よりもさらに外側に位置し、歯の交差が生じます。
このため、正常な咀嚼が困難になるだけでなく、顎関節や歯に余計な負担がかかることがあります。

■鋏状咬合の原因

鋏状咬合の原因は多岐にわたります。

・遺伝的要因

鋏状咬合は遺伝的な要因が大きく影響します。
親から子へと遺伝する骨格の特徴や歯の配列が、鋏状咬合の発生に寄与することがあります。
例えば、親が鋏状咬合である場合、その子供も同様の咬合不正を持つ可能性が高くなります。

・早期乳歯の喪失

乳歯を早期に失うと、永久歯が生えるスペースが十分に確保されず、結果として歯が正しい位置に並ばなくなることがあります。
これにより、上下の歯が正常な位置に配置されず、鋏状咬合が発生することがあります。

・顎の成長不全

顎の成長が不十分であったり、不均衡であったりする場合、正常な咬合が形成されず、鋏状咬合が発生することがあります。
特に、上顎や下顎の成長が不均衡であると、噛み合わせがずれ、鋏状咬合が引き起こされることがあります。

・日常の不適切な癖

口呼吸や舌の突き出し癖、指しゃぶりなどの不適切な癖も、鋏状咬合の原因となることがあります。
これらの癖は、歯や顎の正常な発育を妨げ、咬合不正を引き起こします。

鋏状咬合の症状と影響

■咀嚼困難

鋏状咬合により、正常な噛み合わせができず、食べ物を効率よく噛み砕くことが難しくなります。
これにより、食べ物をしっかりと噛み砕けないため、消化不良や栄養吸収の問題が生じる可能性があります。

■顎関節症のリスク

不正咬合により顎関節に過剰な負担がかかり、顎関節症を引き起こすリスクが高まります。
顎関節症は、顎の痛みや音、頭痛などの症状を伴い、日常生活に支障をきたすことがあります。

■歯の摩耗

正常な噛み合わせでないため、特定の歯に過剰な力がかかり、歯の摩耗が進むことがあります。
これにより、歯のエナメル質がすり減り、歯の健康に悪影響を及ぼします。

■美容的な影響

見た目にも影響し、特に笑ったときや口を開けたときに通常とは違う歯並びが目立つことがあります。

■鋏状咬合の診断

鋏状咬合の診断は、歯科医師による口腔内の視診、咬合の評価、さらにレントゲン検査や3Dスキャン、模型などの画像診断を通じて行われます。
これにより、具体的な咬合不正の状態や顎の骨格の状態を詳細に確認します。

■視診と咬合評価

歯科医師は、患者の口腔内を視診し、歯の位置関係や噛み合わせの状態を確認します。
さらに、咬合紙を使用して噛み合わせの評価を行い、異常な咬合パターンを特定します。

■画像診断

レントゲン検査やCTスキャンを使用して、顎の骨格や歯の位置を詳細に確認します。
これにより、鋏状咬合の原因や程度を正確に把握することができます。

鋏状咬合の治療法

第32回日本成人矯正歯科学会大会の症例展示発表

日本成人矯正歯科学会 総合指導医の更新のため、
2症例を発表しました。

■矯正治療

鋏状咬合を治療するための最も一般的な治療方法が矯正治療です。
ブラケットやワイヤーを使用して歯を正しい位置に移動させます。
また、マウスピース型矯正装置(インビザライン)も使用されることがあります。

当院では舌側矯正やアンカースクリューを併用して見た目も目立たず、スムーズに治療を進める方法もご提案しております。

・舌側矯正

舌側矯正は、歯の裏側にブラケットを取り付ける矯正方法です。
この方法は、装置が外から見えないため、見た目を気にする方にとても人気があります。
特に大人や職業上の理由で装置が見えることを避けたい方に適しています。

舌側矯正は、表側の矯正と同様に効果的に歯を動かすことができ、装置が見えないため、食事や会話の際にも安心です。
ただし、歯の裏側に装置があることで、最初は舌に違和感があることがあるかもしれません。
また、口内のケアが少し難しくなるため、丁寧な歯磨きが必要です。
高度な技術と経験が求められるため治療可能な歯科医院は限られております。

・アンカースクリュー

アンカースクリューは、矯正治療で歯を効率的に動かすために使用される小さなネジのような装置です。
これらは歯茎の骨に直接埋め込まれ、固定源として機能します。
特に難しい歯の移動や、通常の矯正装置だけでは対応が難しい場合に効果的です。

アンカースクリューを使うことで、他の歯に負担をかけずに正確な歯の移動が可能になります。
設置手術は比較的簡単で、局所麻酔を使用して短時間で行われます。
術後の痛みや違和感は少なく、日常生活にもほとんど影響がありません。
これにより、治療期間の短縮や、より精密な歯の位置調整が期待でき、患者さんの負担を軽減します。

■顎の手術

重度の鋏状咬合の場合、矯正治療に併用して顎の手術が必要になることがあります。
顎の骨を切開して再配置することで、正常な咬合を実現します。
手術は通常、入院を伴い、術後のリハビリが必要です。

■歯の削合と再形

必要に応じて、歯を削って形を整えることで、咬合を改善する方法もあります。この方法は、軽度の鋏状咬合に適用されることが多いです。

鋏状咬合の予防

第32回日本成人矯正歯科学会のポスター展示

日本成人矯正歯科学会 総合指導医を
無事更新することができました。

■早期の歯科検診

乳歯が生え始めたら定期的に歯科検診を受けることで、早期に問題を発見し、適切な対策を講じることができます。
早期の検診は、将来的な咬合不正を予防するために非常に重要です。

■不適切な癖の改善

口呼吸や指しゃぶりなどの不適切な癖を早期に改善することが重要です。
歯科医師の指導の下、適切な悪習癖を矯正する用具の使用や、習慣を正すことが推奨されます。

■バランスの取れた食生活

健康的な顎の成長を促すために、バランスの取れた食生活を心がけることが重要です。
カルシウムやビタミンDなどの栄養素を豊富に摂取することで、骨の健康を維持し、正常な顎の成長をサポートします。

鋏状咬合かも?と思ったらご相談ください。

鋏状咬合は、見た目や機能に影響を及ぼす咬合不正の一つです。
咀嚼困難や顎関節症のリスク、歯の摩耗、美容的な影響があります。
鋏状咬合の治療一つでも、さまざまな治療のご提案が可能です。
お困りの際は、当院へご相談ください。

第32回日本成人矯正歯科学会大会の学術ポスター展示

新宿歯科・矯正歯科の院長(左)を中心に、
横浜駅前歯科・矯正歯科の院長(右)と私の連名で
学術ポスター展示をしました。

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